提案型の財務として
事業戦略に
深く関わりながら、
育児とも両立。
新しいロールモデルへ。
キリンホールディングス株式会社
財務戦略部
富永 真梨子
Mariko Tominaga
2010年入社 経営学部卒
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入社後、キリンビール福岡工場にて総務広報担当として研修を受ける。研修後は財務部門に配属され、単社・連結それぞれの決算や、税務調査対応などを経験。また、キリンビール滋賀工場では総務広報担当として経理/財務業務に従事したほか、財務部門に再異動後は自主的に社内プロジェクトにも参加。2021年に産休・育休を取得し、2022年より復帰。
※所属・仕事内容は取材当時
ファイナンス視点を武器に、
提案力を発揮。
事業戦略の立案にも関わっていく。
ここ数年で、キリンにおける財務の存在意義は大きく変化しました。「決算を正しく実施し、分析する」という役割から、「ファイナンス視点をもって事業戦略立案に参加し、目標の達成に向けてグループ会社とともにやり抜く」存在へ。知識以上に、発信力や提案力が問われるようになった、ともいえるかもしれません。
たとえば「ROIC*」という投資効率を測定するための財務指標があります。事業状況を判断するうえで有効な指標として注目が高まっていますが、私はこのROICを、経営目標に盛り込もうという働きかけをメルシャンに対して行っています。もともと私は、コツコツ知識を蓄えるタイプ。こうした提案はどちらかというと苦手でしたが、様々な業務の中で提案の場数を踏み、その力を鍛えるうちに、経営に関われる面白さを味わえるようになってきました。
*事業に投じたお金に対して、どれだけ効率的に利益を上げられたのかを測定するためのもの。
業務効率を劇的に向上。
制約のある中で、
自分から手を挙げて挑んだ
重要資料の一新。
最近の仕事でもっとも印象に残っているのは、「経営戦略会議資料」の抜本的改革を提案したことです。毎月の決算が確定した後、経営陣に報告するための資料のことですが、数字の洪水を整理し、大切なものを抽出したうえで、わかりやすくまとめていく——これまではそれを、手作業で行っていました。作成にもチェックにも、膨大な時間がかかります。きわめて非効率なその状況を変えるべく、外部のコンサルタントの協力を仰ぎながら、ソフトの自動化機能などを駆使して資料を刷新。それまでは2、3日かかっていた作業時間を、数時間にまで短縮しました。創出した時間をより深い分析に充てられるようになったほか、経営層が分析を始めるタイミングを早めることにもつながりました。刷新のための技術を私自身が学ぶのも、資料を大きく変えることに対して社内の合意を得るのも大変でしたが、想像以上の成果を得ることができ、挑戦してよかったと思っています。
私はいま、育児のための時短勤務中です。出勤も週に1、2度と、子育てをしやすい環境にいます。一方で、仕事にかけられる時間はどうしても短くなってしまう。その中でも可能なかぎり経験を積むために、待つだけではなく、自分から手を挙げて仕事に関わろうとしています。経営戦略会議資料の抜本的改革も、そんな仕事のひとつでした。
その行動のベースには、「後に続くみんなのためにも、財務戦略部女性社員のロールモデルになりたい」という思いがあります。仕事と育児を両立し、いきいきと働く姿を見せることで、次の世代がキャリアに希望を持てるようにしたい。一人ひとりが幸せであると同時に高いモチベーションを持ち、強い組織を形づくっていってほしい。働き方が多様化しているいま、女性のワークライフバランス向上は、男性社員にもいい影響を及ぼすはずだと考えています。財務戦略部員として。女性社員として。周囲に好影響を与えるうれしさを、これからも追求していきたいと思います。
学生生活を
振り返って
部活、アルバイト、勉強、遊び。
すべてに全力。だから磨けた、仕事の必須スキル。
週4日の部活動に、平日と休日で掛け持ちしていたアルバイト。もちろん、遊びも、勉強も。「限られたいまを、楽しみつくさなければもったいない」と、すべてに全力投球していた学生時代。マルチタスクをこなすための優先順位付けや、ゴールから逆算しての納期管理能力といった、仕事に不可欠なスキルはこの時に身についたのかもしれません。また、地道な筋トレや素振りを繰り返し、初段の部で全国3位になれた居合道部の活動や、コツコツ勉強して主席で卒業できた経験は、「小さな努力は、積み重ねれば必ず報われる」という自信につながりました。