仕事の成功と、
社会貢献がリンクする。
キリンらしいマーケティングが、
新たな市場を拓いていく。
キリンビバレッジ株式会社
マーケティング部
小西 裕太
Yuta Konishi
2012年入社 経済学部卒
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キリンビール株式会社に入社後、京滋エリアでの量販店営業からキャリアをスタート。その後、マーケティング部への異動を経て、豪州・LION社に駐在。現地におけるKIRINブランドのブランドマネージャーを経験する。帰国後もブランドマネジメントや商品開発に携わり、2022年から現職。
※所属・仕事内容は取材当時
免疫市場を広げる、
新たなフラッグシップの誕生へ。
お客様についての問いを深め、
メンバーの力を引き出す。
キリンビバレッジの商品を通じて、ひとりでも多くのお客様に健康で前向きな毎日をお届けする——私がリーダーとして携わっているのは、そのためのブランド育成です。策定したマーケティング戦略に基づいてブランドを世の中に広げ、新たな市場を切り拓いていく。このプロセスを、メンバーの力を引き出すことによって推進しています。
たとえば、2023年3月に発売され、期待を超える大ヒットとなった「キリン おいしい免疫ケア」。この新たなフラッグシップにも、マーケティング上のさまざまな工夫が凝らされています。キリン独自の発見である「プラズマ乳酸菌(※)」。これまではサイエンス的に伝えてきたその機能を、「免疫ケア」という価値で捉え直し、日々の大切な習慣として訴求したこと。「乳酸菌飲料といえば赤で機能を中心に訴求する」という、業界的なパッケージのあたりまえを覆したこと。ここではお伝えできないことも含めて、まだまだあります。その実現に向けて私が意識したのは、メンバーの思考のベクトルを常にお客様起点に置き続けること。パッケージは赤にするのがあたりまえ。でも、それはなぜなんだろう。お客様から見てどんな意味があるんだろう。もっと考えよう、とことん深めていこう——「お客様を動かす」という難問の前では、いくら考えても考えすぎということはないからです。
こうした姿勢には、私がキリンビールの出身であることも関係しています。キリンビバレッジに比べると、キリンビールは新商品の数や施策の頻度、いわば「手数」が少ないので、そのひとつひとつを「必ず成功させて、大きく市場を動かす」必要性がより強い。だからこそ、習慣になっているお客様起点での思考の深め方をキリンビバレッジにも根付かせる小さなきっかけがつくれたのかもしれません。
※免疫細胞の司令塔といわれる「pDC」に働きかける乳酸菌。健康な人の免疫機能の維持に役立つことが報告されている。
踊り場の経済を、成長へ。
マーケターとしての責任を、
お客様をとことん見つめた
価値創造で果たしていく。
キリンでマーケティングに携わることの面白さ。それは、「マーケティングそのものの面白さ」と、「キリンという会社の面白さ」に分解できるのかもしれません。
キリンのような事業会社におけるマーケティングは、広告をつくったり、商品を開発したりする仕事と狭く見られがちです。けれど、それはマーケティングの仕事の一部だと思います。実際は、お客様や社会を深く理解し、その理解をもって、広告代理店、デザイナー、営業、サプライヤー、製造など、様々な関与者をリーダーとして動かしていく。それぞれの領域の専門家に自分はなれなくとも、自分よりはるかにすぐれた専門家の方たちの力を引き出し、最後はひとつひとつの広告やデザインをお客様起点で責任をもって選択していく。責任は重くても、たくさんの領域に関わることのできる仕事です。シンプルに言いかえれば「専門家のアイデアを、選ぶのは私たち」。優劣の話ではありません。それでも、お客様の暮らしを深く理解し、自分たちの手で幸せをもたらしていく喜びは、事業会社のマーケターだからこそ強く味わえるものだと個人的には思っています。
そしてキリンは、100年以上にわたって「お客様本位」と「品質本位」を徹底的に貫いてきた会社。その姿勢は、単なるプロダクトを超えた「価値創造」「カテゴリー創造」として実を結んできました。「午後の紅茶」「のどごし<生>」「ハートランド」「氷結」、「本麒麟」そして「一番搾り」といったブランドが好例です。
経済の停滞がつづく日本。少子化のような環境要因もありますが、企業が新しい価値を提供できていないことに、問題の根がある気がしてなりません。飲料の分野でいえば、「初めてコーヒーができた」という基本的なレベルの発明は、もはや難しいかもしれない。けれど、コーヒーという飲みものに新しい価値を吹き込むことで、市場を創造し、カテゴリーを活性化することはきっとできる。新しい価値を創造したということは、その分だけお客様の暮らしに新たな幸せやよろこびをつくれたということ。実現を通じて、社会に貢献できるマーケティングリーダーになること。同時に、自分の仕事で「少しでも社会を幸せにできた」と実感できるマーケターを育成すること。マーケティングという仕事だから、そして、キリンという会社だから描ける将来だと思います。
学生生活を
振り返って
多様な人財との交流で育んだ、
マーケティングに通じる基礎スキル。
経験の幅を広げるために、学業に加えて、サークル活動やアルバイトに幅広く取り組みました。塾講師、飲食店、事務、工場……コミュニティや職種によって、出会うお客様もさまざま。その中で、「お客様は何を求めているのか」「それをどう提供すればいいのか」を考えて行動に移す、マーケティングの基礎のようなトレーニングを自然と積んでいたのだと思います。また、周囲とコミュニケーションを取りながら働いた経験も、リーダーとしての活動に少なからず役立っているのではないでしょうか。