制度をつくることは、
働きがいをつくること。
挑戦を継続できる環境を整え、
人財の価値を高めていく。
キリンホールディングス株式会社
人財戦略部 企画・組織開発担当
働きがいチーム
江崎 光希
Mitsuki Ezaki
2017年入社 政治経済学部卒
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入社4年目まで、キリンビール神戸工場にて総務広報を担当。人事労務、広報、総務など、工場における人事制度運用や環境づくり、地域貢献などに携わる。その後、本社の人財戦略部へ。人事制度の企画や法改正への対応、賃金関連業務を行う。入社5年目以降は、海外駐在員制度の企画・運用や外国籍人財の雇用管理業務にも従事。
※所属・仕事内容は取材当時
正解のない人事制度。
さまざまな観点を取り入れながら
自分なりの答えを出し、
従業員と会社の成長を支える。
「人財が育ち、人財で勝つ会社」——これは、キリンの人財戦略において目指す姿です。持続的な事業成長と企業価値向上のため、まずは人財の価値を高めていこうとする取り組みが次々に始まっています。
その中で私は、国内外における人事制度の企画と運用を行っています。けれど、制度をつくること自体が目的ではありません。制度によって、多様な従業員が「やりがい」と「働きやすさ」を感じ、継続して挑戦できる環境をつくること。そして、一人ひとりの能力が最大化された組織を実現すること。それこそが、私たちの存在意義。「制度チーム」から「働きがいチーム」へと変更された部署名にも、そのような思いが込められています。
制度づくりに、決まった正解はありません。従業員の「成長」を最優先にするのか。それとも「働きやすさ」か。会社の財政状況をどこまで考慮するのか、今後の事業成長をどのように見込むのか。働く人の視点、経営者の視点、さまざまな視点を切り替えて考え、時にはバランスを取っていく必要があります。大変ですが、自分なりにたどりついた「正解」が従業員と会社の成長を支えること、そして、キリンの取り組みとして注目を集め、広く社会に影響していく可能性に面白さを感じています。
横ばいだった男性の育休取得率。
現場の声を集めながら
社内の意識改革を進め、
100%に向けて踏み出す。
私は2022年から、男性の育休取得推進業務を担当しています。じつはここ数年ほど、男性の育休取得率は50%前後で推移していました。様々な取組みをしていましたが、50%を大きく超えることが出来ていないのが現実でした。「50%でも充分に高い」という見方もできるかもしれません。けれど、女性の活躍推進を加速するうえでも、多様な価値観を持った従業員を増やすためにも、「男性の家庭進出」にはさらに力を入れていく必要があります。
なぜ、横ばい状態が続いているのか。仮説を立て、現場へのヒアリングを通じて検証するうちに、その理由が浮かび上がりました。リーダー層は、メンバーに育休を取ってほしいと思いながらも、組織の力が一時的にダウンすることを懸念している。メンバーは、職場に迷惑をかけたくないと考えている。育休を取る側と、取らせる側。そのどちらにも、取得に踏み出せない想いがありました。
その想いを心に留め、私は制度や仕組みを見直すことにしました。法律に定められたレベルを超えて取得しやすい制度を追求すると同時に、子どもが生まれた時点で早めにメンバーとリーダーがお互いに意思疎通を図ることができる仕組みも整えました。こうした変更は、少なからず現場にも負担をかけます。当然、不安の声も寄せられました。その不安を払拭するために、育休取得のメリットをさまざまな観点から伝える社内セミナーを開催。外部の講師も招いて説得力を高め、社内の意識を変えるための努力を重ねました。
その結果、男性の育休取得率は70%まで向上。さらに、「育休を取得したことで幸福度が上がった」「仕事のモチベーションにつながった」「育休取得者をサポートすることで、チームがレベルアップできた」といった、うれしい声も続々と集まってきました。けれど、まだ通過点。ゴールはもちろん、取得率を100%にすること。ただ、数字だけがすべてではなく、一人ひとりがプライベートを大切にしながら、最大限に能力を発揮し、挑戦できる組織と環境の実現が大きな目的です。そのために、私自身も挑戦を続けていきます。
学生生活を
振り返って
カナダの旅行代理店でインターンを経験。
現地の労働観に触れ、人事に興味を持つ。
カナダの旅行代理店で、半年ほどインターンを経験しました。旅行ツアーの販売を担当したのですが、英語に大苦戦。それでも全力で取り組むうちに「がむしゃらさから、ツアーの魅力がよく伝わった」と契約してくださるお客様が。誠意と熱意は、必ず伝わるものだと実感しました。また、日本とは異なる海外の労働観に触れ、興味を持ち、帰国した私は、人事を学べるゼミに参加。いま、キリンでこうして人財戦略部に所属しているのも、海外関連の業務に携わっているのも、何かの縁かもしれません。