小さな工夫も
影響力は特大。
お客様につながる設備の
すべてを、自分の手で。
キリンビール株式会社
横浜工場 エンジニアリング環境安全担当
玉村 駿
Shun Tamamura
2015年入社 工学研究科修了
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お客様の手元に直接届く製品に関わりたいと考え、キリンを志望。エンジニアリング環境安全担当として、キリンビール横浜工場に配属される。小規模な設備の工事でじっくりと経験を積んだ後、2017年より醸造エネルギー・副産物の主担当として活躍中。
※所属・仕事内容は取材当時
設備づくりの
あらゆるフェーズに関わる。
範囲を限らないからこそ、
成長にも限りがない。
キリンビール横浜工場における、設備の導入・改良・保全を手がけています。キリンは大量生産品を扱っているだけに、小さな工夫から、大きな影響力を生み出す仕事ができるのではないか。そんなやりがいを期待して入社したのですが、想像以上でした。たとえば、缶の製造コストを一個あたり0.1円下げる。微々たる差に思えますが、製造量を思えば膨大なコストメリットが生まれます。またキリンでは、プロセスの一部だけではなく、すべてのフェーズに関わることのできる環境が用意されています。現場の意見を吸い上げて課題を抽出することに始まり、計画立案やコスト算出、発注、実行、さらに運用まで、すべてを見ることができるのです。「自分が手がけた」と胸を張れる分、達成感はひとしお。特に、自分で引いた図面が形になって動き出す瞬間は、何度味わってもワクワクします。高いスキルを持った先輩ばかりなのでチェックの目は厳しいですが、だからこそ成長が早まる環境だと感じています。
社内外を問わず、さまざまな人と
相談することで難題をクリア。
ひとつひとつの経験が、海外で
活躍する夢につながっている。
飲みものの生産工程では、副産物と呼ばれる「余りもの」が出ます。ビールで言えば仕込粕や酵母、汚泥などのこと。キリンには、そうした副産物を飼料として加工し、再利用するための設備があります。ある日、その設備を動かす現場から「飼料に金属片が混入するリスクがある」との相談を受けました。放っておけば品質に影響しかねません。そこで金属探知機の導入を検討したのですが、ある問題点が見つかりました。飼料の量が膨大なため、金属探知機によって検知できたとしても、人の手で金属片を探し出し、取りのぞくまでに時間と労力がかかってしまうのです。解決策は、検知だけではなく除去まで行える仕組みを導入すること。しかし、今度は予算をオーバーしてしまう恐れが出てきました。「そこまでして導入する意味があるのか」。周囲からはそんな声も上がりました。私は社内外を問わず、さまざまな知見を持った人に声をかけ、協力を仰ぎました。結果として、検知と除去の機能を兼ね備え、しかも予算内にきちんと収まる手法にたどり着くことができたのです。すべてのフェーズに一貫して関われるキリンだからこそ、相談できる相手も増え、そこで得た知識が自分自身の中に蓄積されていく。そんな手応えを改めて実感できた出来事でした。私には、海外で通用するエンジニアになりたいという目標があります。そのためには、さらに多くの知見を吸収していかなければなりません。さまざまな経験によってスキルを磨く環境に恵まれ、海外での工場立ち上げに関わるチャンスもあるキリンなら、私の目標もきっと叶えることができる。そう信じて、いまも省力化や新製品対応といったいくつものプロジェクトと向き合い、そのひとつひとつを自分の力に変えようと励んでいます。
学生生活を
振り返って
協力。試行錯誤。目標達成。
改良フローの基本を学んだのは、
居酒屋のキッチンだった。
居酒屋のキッチンスタッフとして、同じお店で5年間、アルバイトをしていました。「料理が好き」という理由で選んだ仕事でしたが、夢中になったのはお客様の満足度を上げていくための取り組みです。居酒屋での満足度を大きく左右するのは、なんといっても提供速度。1秒でも早くフードやドリンクを届けるために、店長も後輩も巻き込んでみんなで話し合いながらオペレーションを見直し、試行錯誤を繰り返す。その結果が、お客様アンケートにはっきりと現れるのがとても面白かったのです。明確な成果に向かって、さまざまな人の声を聞きながら改良を重ねていく。業種はまるで違いますが、いまの私の仕事の姿勢は、思えばあの居酒屋で基本形ができていたのかもしれません。