

CAREER DESIGN
実例で知るキャリアデザイン
営業対談
一口に「営業」と言っても、その中身はさまざま。
いくつもの事業と販売チャネルを持つKIRINでは、経験できる業務も、
描けるキャリアも多岐にわたります。
その一端を、3名の社員の実体験を通じてご紹介します。

熊﨑 竜太
キリンビバレッジ株式会社
首都圏統括本部 兼
営業企画部 営業企画担当
CAREER PATH
- 1年目:キリンビバレッジ株式会社 中四国地区本部 西中国営業部
- 3年目:キリンビバレッジ株式会社 中四国地区本部 法人営業担当
- 5年目:キリンビバレッジ株式会社 マーケティング本部 企画担当
- 7年目:キリンビバレッジ株式会社 営業部 スポーツコミュニティー担当
- 11年目:キリンビバレッジ株式会社 営業部 流通企画担当
- 13年目:キリンビバレッジ株式会社 首都圏営業支社 自販機営業部
- 15年目~:現職

越田 来望
キリンビール株式会社
マーケティング本部 営業部 企画担当
CAREER PATH
- 1年目:キリンビール株式会社 首都圏横浜支社 営業部
- 6年目:キリンビール株式会社 近畿圏流通支社 営業部
- 10年目:キリンビール株式会社 首都圏流通第3支社
- 16年目:キリンビール株式会社 セールスサポート部 リテールサポート担当
- 19年目:キリンビール株式会社 首都圏流通第2支社
- 21年目~:現職

小砂 菜穂子
キリンビール株式会社
流通営業本部 セールスサポート部
カスタマーマーケティングチーム
CAREER PATH
- 1年目:キリンビバレッジ株式会社 西日本統括本部 九州支社営業部営業担当
- 4年目:キリンビール株式会社 首都圏流通第3支社 営業部
- 7年目~:現職
「選ばれる力」を生み出す、
メーカーの魅力。

みなさんはもともと、「メーカー」や「営業職」という軸で就活をしていたのですか?

越田
就活中、自分の軸を定めるためのヒントがほしくて、家の中にあるモノ——いわゆる消費財や食品をぜんぶ、リビングに並べてみたことがあります。その山を眺めているうちに「そういえば、シャンプーはいつもこのブランドだな」とか、「ビールといえば『一番搾り』なんだ」という(笑)、無意識の選択が見えてきた。そんな「選ばれる力」をつくる場として、メーカーに興味が湧きました。その中でも、自分が信じた商品を広げていくポジションとして、営業は面白そうだなと思いました。

熊﨑
私は大学で味覚にまつわる心理学を勉強していたので、その延長として食品や飲料のメーカーを受けました。とはいえ、特別な資格を持っているわけでもなく、性格的には人としゃべるのが好き。ということは、営業になるんだろうな……ぐらいの感覚でしたね。越田さんほど深く考えてはいなかった(笑)。

小砂
私も熊﨑さんに近いです。「商品や技術など、自信を持って人に勧められるものがある」「信頼できる人と一緒に働ける」という2つのポイントで会社選びをしていたのですが、当時は様々な職種に興味を持っていました。入社が決まったあとの研修で営業職についての理解が深まり、気持ちが盛り上がっていったのを覚えています。
人と向き合うから、
営業はクリエイティブ。

KIRINの営業は「飲食店」「量販企業」「自動販売機」など、チャネルによって部署が分かれます。それぞれ、営業スタイルも大きく違うのですか?

越田
かなり違いますね。部署が変わると、転職したのかと思うくらいのギャップがあります(笑)。たとえば私の初配属先は「業務用」。飲食店や、飲食店に商品を卸している業務用酒販店が営業対象です。コミュニケーションの力や、気持ちの深さが特に問われましたね。オーナーさんから課題をしっかり引き出し、自分ごとのように解決しようとする姿勢。それなのに、新人だった私は「こっちからどんどん喋らなきゃ」と空回り。傾聴する姿勢を身につけるまでは、なかなか距離を縮められずに苦労しました。

熊﨑
コミュニケーションの重要性を、さらに突き詰めたのが自動販売機の開拓営業かもしれません。企業や病院、学校に対して、それぞれの得意先課題に応じた課題解決提案をKIRINの自動販売機を通じて実現するという役割でした。ただ、自動販売機は一見して、メーカーによる違いが出にくい。どこの自動販売機も一通りの飲みものはそろっていますし、すでに他社のものが設置済みなら、わざわざKIRINに替える必然性も薄い。それでもKIRINの魅力を知っていただくために、糸口となるのはやっぱりコミュニケーションなんです。商品のことばかりではなく、担当した地域の歴史や球団、有名企業など、会話の材料をたくさん集めてから商談に臨むようにしていました。
小砂さんも初配属先が自販機営業でしたね。やはりポイントはコミュニケーションですか?

小砂
そうですね。最初はベテランの先輩にOJTをお願いして、そのやり方を真似しようと思ったんです。経営についての知識が膨大で、お客様に頼られながら自然とニーズを引き出す先輩でした。ただ、新人の私がそれをコピーしようにも、バックグラウンドが乏しくてうまくいかない。そこで、当時提携していたヤクルトレディさんにフォーカスを変えました。その方は、得意先のキーパーソンを把握するのが抜群にうまい。見よう見まねで学ぶうちに、私もだんだん結果が出せるようになっていきました。自分にふさわしいスタイルを見つけるのも大事なことだと思いましたね。

越田
これは先輩の言葉ですが、「営業は人間同士が向き合う仕事だから、ひとつひとつが違う。そこがクリエイティブなんだ」と。業務用や自販機の営業を経験すると、すごく腑に落ちます。
転職かと思うレベルで、
新しい経験を通じて成長ができる。

みなさんに共通するのは、量販店向けの営業を経験されているところですね。

越田
量販営業はものすごくロジカルです。得意先の数字を精緻に分析し、仮説を構築したうえで商品やPRの提案を行います。その結果を週単位で確認し、さらに次の手を打っていく。しかも量販店チェーンの本部に対する営業活動ですから、チェーンによっては100を超える店舗のすべてに提案が波及する。

熊﨑
越田さんが「異動は転職のよう」と表現していましたが、まさにその通りですよね。職種の名前は同じ営業なのに、部署が変わると1からチャレンジする感覚。しかもそれが、3、4年ごとにやってくる(笑)。だからこそ成長できるんですよね。これまでとは違うスキルを鍛える機会が絶えることはなく、新しい発見も多い。本当に価値の高い環境だと感じています。
さまざまなスタイルの営業がありますが、共通する魅力は何でしょうか。

越田
KIRINには愛されるブランドがいくつもあります。そのブランドを活用しながら提案を行い、形にすることで、お得意先の売上や利益の拡大に貢献できる。そして何より、商品を手に取るお客様の満足もつくることができる。その「手触り」をしっかりと感じながら仕事ができるのは、KIRINらしさなのかなと思いますね。

熊﨑
環境的な話でいえば、メンバー同士の一体感が強いことを挙げたいですね。ビジネスには、どうしても浮き沈みがあります。ここ数年では、コロナ禍の大きな影響を受けました。そんな時でもチームは前を向いて、打開のために全員で知恵を絞ることができた。KIRINにおける営業の魅力は、一緒に仕事をする人の魅力なのかなと思います。

小砂
そう、人の魅力は本当に大きいですね。KIRINの哲学である「"One KIRIN" Values」には「熱意・誠意・多様性」が謳われていますが、まさにそれを体現するような人ばかり。「この人たちと仕事がしたい」と、心から思えます。それに、商品ももちろん魅力的。世の中にとって価値の高い商品だからこそ、自信を持って営業活動に取り組めるんです。
業務もキャリアも十人十色。

キャリアについても聞かせてください。みなさん、営業系であることはほぼ一貫していますが、さまざまな業務や立場を経験していらっしゃいます。

越田
現場だけではなく、より高い視座から営業支援に携わる機会がありましたね。営業活動におけるPDCAサイクルの全社標準化モデルを立案したり、売上利益マネジメントシステムの構築に携わったり。いまは「経営職」——一般的な表現では「幹部職」が近いと思いますが——として、5名のメンバーをマネジメントしています。女性メンバーも多いので、私自身がロールモデルとして、いい影響を1ミリでも与えられたらいいなと思いながら取り組んでいます。

小砂
私はいま、量販店に対する営業を支援しています。本部での勤務ですが、得意先への同行も多いので現場らしさはしっかり残っていますね。一方で、チームとして力を発揮することがより強く求められているように感じています。一人では創れない価値を生み出し、得意先に届けていくこと。その手応えが大きい仕事ですね。
熊﨑さんは、特に業務のバラエティが豊かですね。

熊﨑
マーケティング本部に配属されたことも、特定ブランドの販売戦略に関わったこともあります。どれも刺激的な経験でしたし、いろいろな立場を知ることで視野が広がっていったのかなと思います。マーケティングの仕事では、お客様にブランドの価値をお届けするという目的の中で、社内外の関係者にブランド担当としての思いを伝達し、理解・共感してもらうことに苦労しました。例えば、容器やラベルなどの細かい点でも、企画の立場としてはラベルの大きさやバリエーションの多さにこだわる一方で、生産や調達の立場では、よりシンプルかつ安定的に製造したいという思いがあり、意見が分かれます。チームとして同じ目的達成に向けて進んでいく中でも、様々な部門の想いが入り混じり、正しい方向に導いていくことの大変さを知った経験でした。でも、そうであることが当然だとも思います。誰もが真剣に、自分のミッションに向き合っている証拠ですから。メーカーの芯となる想いや姿勢を深く知った、いい経験でしたね。

キャリアにおいて、ターニングポイントとなった出来事をひとつ挙げるなら?

越田
私の場合、第一子の出産と、その後に営業として復帰した経験です。いまに至る働き方に大きく影響しています。当時はまだ「ママで営業」という事例が少ない時代。まずは時短勤務で復帰したのですが、「勤務時間が短いと、パフォーマンスも低下する」と捉えるお得意先もあったのが現実でした。半年後には通常勤務に戻したのですが、それでも子どもの急病など、思うように時間を使えない状況は変わりません。その中で、いかに効率よく成果を出し、期待を超えていくか——「期待された役割に対して、その期待値を上回り続けること」を自分自身のキーワードにして、リーダーとも相談しながら追求していきました。大きな収穫だったのは「一人でできることは少ない」と改めて実感できたこと。自分の事情をちゃんと開示する。必要であればヘルプを求める。まわりが「助けやすい」状況をつくることも、助けてもらう側の気遣いなんですね。
小砂さんも、産休・育休からの復帰を経験していますね。

小砂
はい。越田さんと同じく、仕事のスタイルや意識を大幅に変えるターニングポイントになりました。また、変化という観点から選ぶなら、キリンビバレッジからキリンビールへの異動もかなり大きな出来事でした。飲みものという共通点はありますが、事業会社が変われば、戦略も業務も変わる。こうした異動があるのも、KIRINの面白さですね。
熊﨑さんはいかがでしょうか。

熊﨑
ターニングポイントとは少し違いますが、大変さも含めて思い出に残っているのは「スポーツコミュニティー担当」になったことでしょうか。長年のサッカー支援というKIRINの資産を、営業的に活かすために生まれたポジションです。プロ選手によるサッカー教室を開いたり、ユニフォームのプレゼントを企画したり、前例のないことも多くて試行錯誤の連続。それなのに、まわりからは遊んでいるように見えるらしくて(笑)。苦しくもあったけれど、新しいことに挑む楽しさをたっぷり味わいました。学生向けのスポーツ大会を運営した時は、開催期間中に参加学生の飲みものがKIRINに変わっていくのを目の当たりにして、うれしかったです。
挑戦を後押しする風土の中で。

最後に、これからKIRINで挑戦してみたいことを教えてください。

越田
私が入社してから、今年(2023年)で丸20年間を数えます。改めて振り返ってみると、メンバーとして、リーダーとして、さらに営業サポートとして、現場の内外から営業部門に関わり続けた20年でした。この経験を活かして、キリンビールの営業部門を『最強の営業部隊』にしたい。そのためにも、メンバーやリーダーの育成に力を入れ、彼ら自身が成長を実感できるような環境づくりを進めたいと考えています。

熊﨑
これまではキリンビバレッジの中で、主に清涼飲料事業を中心に仕事をしてきましたが、キリンビールのように業種が異なる事業会社も経験してみたいですね。どちらも「飲みもの」の会社ですが、キリンビバレッジとキリンビールでは、業界における立場が大きく違う。より成長できる経験ができそうな気がしています。

小砂
明確なプランが描けているわけではないのですが、自分の業務範囲を超えるような仕事がしてみたいですね。グループ内のさまざまな部署や、社内外のたくさんの方々との協働。それらを通じて、新しい価値の創造や、仕組みづくりに挑戦できたらと考えています。KIRINには、多様な価値観を認め合い、一人ひとりのチャレンジを後押ししてくれる風土があります。私の背中を押してくれるその風土を、私自身がリードしていけるようになりたいですね。
