医薬品も。粉ミルクも。
社会に欠かせない原料の、
安定した製造を守る。

協和発酵バイオ株式会社
山口事業所 製造部製造1課

鷲尾 直紀

Naoki Washio
2011年入社 環境学研究科卒

Profile

入社から5年間、生産技術研究所で、製造に向けた培養のスケールアップなどを手がける。2016年から約2年間、タイの新工場に出向。製造プロセスの解析やスタッフ教育に従事。生産技術研究所に帰任後は、引き続きタイのプロジェクトに関わりながら、生産性向上や生産計画の立案等を行う。2022年より、現職である製造管理へ。

※所属・仕事内容は取材当時

絶対に、市場に届ける。
その強い責任感とともに、
幅広く製造に携わる。

 微生物の力を借りて、社会にとって有用な化合物を生み出す協和発酵バイオ。私はその製造プロセスにおいて、3つの守備範囲を託されています。微生物の細胞・組織を発酵槽で育てる「培養」。設備の稼働に欠かせない、蒸気や電気などの「ユーティリティ」。そして、発酵の副産物として生まれる「廃液処理」。どこでつまずいても、安定した製造は見込めません。約80名のメンバーをまとめながら、盤石な体制づくりや、トラブル発生時の迅速な対応などにあたっています。難しさは、なんといっても見るべき範囲が広いこと。特に「ユーティリティ」と「廃液処理」については私自身の経験も浅く、適切な指示や提案が出せずに悔しい思いをすることもあります。一方で、ここで製造されているのは、医薬品の原料や粉ミルクの成分など、世の中に欠かせない製品ばかり。「必ず市場に届けなければならない」。その責任を背負って、ミスを防ぎ、思いつく限りの手を打ち、決して妥協せずに安定した製造を目指す。製造開始から納品までの一連を滞りなく完了できた達成感は、何度味わっても格別ですね。 そんな環境だからこそ、自分自身を大きく成長させられるのではないかと感じています。

タイで見つけた目標に向かって、
守備範囲を広げながら
工場全体の運営を目指す。

 最近、特に大きな達成感があった仕事は「4品目の同時製造」。最初に聞いた時は、計画にマンパワーがまるで追いついておらず、「とてもじゃないけど無理だろう」というのが率直な感想でした。けれど現場へのヒアリングを重ねるうちに、「ここさえ解決できれば、もしかしたら」というポイントが浮かび上がってきたのです。それは「計量」。品目ごとに10から20もの原料があるのですが、その計量工程が製造のボトルネックになっていました。そこで、倉庫のキャパシティや、開封後の原料の安定性データといったさまざまな条件を突き合わせ、できる限りまとめて計量する方法を模索。結果として、計画通りの製造を実現することができました。こんなふうに影響力を発揮できる範囲を、さらに広げていきたいというのが、私の描く将来像です。いまの守備範囲に加え、精製、人財マネジメント、調達、品質保証……。いずれは、工場全体を俯瞰できる存在になりたい。そう思うようになったきっかけは、数年前に出向したタイの新工場。リサーチャーとしての赴任でしたが、工場の立ち上げという大きなイベントの中でいつしか役割の垣根もなくなり、さまざまな業務を引き受けることに。それが、すごく面白かったのです。まだまだ学ぶことの多い身ですが、培養、ユーティリティ、廃液処理と順を追ってフィールドを広げ、さらに海外経験まで積ませてくれた協和発酵バイオの環境の中で、これからも確かな成長を重ねていきたいと願っています。

学生生活
振り返って

偶然出会った微生物の魅力。
知識ゼロから独学で学び、
一生の研究テーマへ。

 もともと化学への興味が強く、微生物とは縁がなかった学生時代の私。ところが、化学工学系の研究室に入ったことをきっかけに微生物に触れるようになり、たちまちその面白さに惹きつけられました。生き物であるがゆえの扱いの難しさ。そして意外な有用性。それまではほとんど知識もなかったのですが、「もっと知りたい」という一心で、独学で学び始めてしまったほどです。できることなら、微生物の研究をこの先も続けていきたい。そんなふうに思っていた矢先、学会を通じて知ったのが協和発酵バイオです。「微生物の力で、社会に役立つものを生産する」というテーマはもちろん、社員の魅力にも触れて、入社したいという気持ちが固まっていきました。

協和発酵バイオ㈱の事業について
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