メディアへの
情報発信を通じて、
キリンのブランド戦略を
仕掛ける。
キリンホールディングス株式会社
コーポレートコミュニケーション部 報道担当
佐藤 啓太
Keita Sato
2013年入社 政治経済学部卒
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食品業界を中心に就活。強みも弱みも正直に伝えてくれるキリンの先輩社員に惹かれて入社。研修後、福岡でスーパーやドラッグストアを対象としたマーチャンダイザーとして活躍。その後、大分で量販店と飲食店の両方に向けた営業活動を経験したのち、2017年より現職。
※所属・仕事内容は取材当時
ニュースバリューを演出して
掲載確率を高め、
キリンのブランディングを支えていく。
さまざまなメディアを彩るキリンの記事。キリンは、ただ取り上げられるのを待っているだけではありません。話題をこちらからメディアに提供し、記事化を通じてポジティブなブランディングを仕掛けていくこと。それが報道担当としての私の仕事です。主に担当しているのは男性向けの雑誌やWEB媒体ですが、新聞社からテレビ局まで幅広いメディアを担当しています。新聞・テレビ局は各1社ずつ、雑誌なら20から30誌、WEBでは約15メディアを担当し、情報発信を行っています。もちろん、提供した情報のすべてが掲載されるわけではありません。こちらがどんなに発信したくても、メディア側が意義を見出せなければ誌面を割いてはもらえないのです。たとえば新聞社なら、数字を主体にしたわかりやすい切り口でニュースバリューを感じさせる。そんな工夫を重ねることで露出の機会を増やしていきます。「キリンにとってのニュースが、メディアにとってもニュースであるとは限らない」。この厳しい前提を忘れることなく、掲載確率を高めるための努力を重ねているのです。
ライバルに奪われかけた誌面。
駆けつけてくれた記者の姿に、
信頼関係の大切さを痛感。
キリンのグループ会社が運営するビアレストラン「キリンシティ」が、都内にある3店舗で学生団体とコラボしたコースメニューを提供することになりました。ドリンクの杯数を少なめに抑えるかわりにフードを充実させるという、この時代の若者文化に即した試みです。ぜひメディアに取り上げてほしいと思ったのですが、あいにく同業他社の新商品発表と重なってしまいました。しかもその新商品発表には、社長まで登壇するという力の入れ様。記者が根こそぎ流れてしまってもおかしくない状況でしたが、あきらめずに随時情報を提供し、「キリンシティ」への取材誘致を続けました。結果として、とある新聞社の記者が駆けつけ、大きく記事にしてもらえたのです。情報内容によっては、数社分のネタを合わせて一本の記事にされてしまうことも珍しくないのですが、キリンシティ単独での堂々たる掲載でした。この出来事を通じて痛感したのは、メディアとのお付き合いは「人対人」であるということです。会話やメールでのやりとりなど小さなコミュニケーションにも心を砕き、コツコツ信頼関係を築いていけば、ここぞという時にその信頼がものを言う時が来るのです。メディアへの掲載がもたらすのは、社外へのアピールだけではありません。その取り組みに関わったメンバーにとっても励みとなり、新たなモチベーションにつながります。またキリンは、CSV活動など社会貢献度の高い取り組みをいくつも行っていますが、社内では意外と見過ごされていることがあります。そのような取り組みをしっかりとすくい上げて発信することで、社員にも、キリンという企業の素晴らしさにあらためて気づいてもらう。メディアとの信頼関係をさらに積み上げ、そんな広報活動を実現することも、これからの私の大切なミッションだと感じています。
学生生活を
振り返って
学生スポーツ新聞の編集長を経験。
ものづくりの喜びは、
受け手の中にあると確信できた。
学生スポーツ新聞サークルに所属し、3年生からは100名近い大所帯を率いて編集長を勤めました。体育会への取材から、撮影、編集、執筆までのすべてを手がけ、年に12本の定期発行や号外、WEBでの発信を行うのです。何よりもうれしさを感じたのは、配布した新聞に読みふける読者の姿でした。ものをつくる喜びは決して独りよがりではなく、それを受け取る相手があってこそ成り立つのだと実感しました。そんな気づきが、商品が広く世の中に行き渡るメーカーを志望する理由にもなったのです。いまは記事をつくる側ではなく、つくってもらう側ですが、情報の受け手である記者がどう感じるかを考え抜くという点では、共通するものがあると感じています。