ブランドと自分自身。
海の向こうで、
ふたつの成長物語を
描いている。

LION
マーケティング部 ブランドマネージャー

小西 裕太

Yuta Konishi
2012年入社 経済学部卒

Profile

新しい価値を提案し続けるキリンで、商品開発を手がけたい。そんな動機から入社を志望。仙台工場での研修後、京滋エリアにて量販店店頭での営業活動を行う。2013年10月、キリンビール株式会社 マーケティング部に異動し、47都道府県の一番搾りなどの商品開発を手がける。2016年10月にLION社でのマーケティングトレーニーに公募し、2017年10月より現職。

※所属・仕事内容は取材当時

新しい思考回路を手に入れるために、
国境を超える。
ブランドの「経営者」として、
成長の物語を描いていく。

 オセアニアにおける綜合飲料事業の推進拠点・LION社にて、ブランドマネージャー(担当ブランドの経営者)を務めています。①ブランドの成長戦略を策定し、②広告や販促施策に落とし込み、③営業や広告代理店、生産部門を巻き込む、戦略~実行までのすべてを担当。マーケティングや戦略といった言葉にすると難しいけれど、つまるところ、「その商品を好きになって、手にとってもらうまでの物語」をつくって、実行していく仕事です。LION社へ赴任したきっかけは、海外トレーニーの公募に手を挙げたこと。クラフトビールの成長など国内のビール市場が変革を迎える中で、①開発に加え、ブランド育成の経験を積み、②さらに自分の思考パターンを一度壊して、構築しなおしたいと考えました。「海外で働きたい」というよりは「新しい思考回路を手に入れたい」という理由です。そのため、特に優れたマーケティング力を持つと言われているLION社を選択しました。
 この仕事の何よりの醍醐味は、描いた戦略(ブランド成長の物語)がアイデアに翻訳される瞬間にあります。ブランドマネージャーが中心になり、社内のスペシャリストやクリエイターを巻き込んで、物語を人の心を動かす具体的なアイデアに変えていきます。その過程で、自分のつくった物語が彼ら専門家を刺激して、思いもよらなかったアイデアが生まれる瞬間、アイデアをチームでよりよいものにしていくプロセスに面白さを感じます。友達へのサプライズを考えている時みたいに、このアイデアを受け取ったら、その人は、どんな反応をするのだろう、思った通りのものが返ってくるか、想像以上のものになるか、思い浮かべてワクワクしています。

見よう見まねで構築した
ブランド戦略。
周囲を巻き込むことで、
トップクラスの評価を獲得。

 着任してすぐにブランド戦略の策定が始まり、戦略の草案をつくってくれ、とリーダーに依頼されました。
私は新任のうえ、海外経験は旅行ぐらいしかなかったため、英語にも不慣れです。明らかに「試されている」と感じました。「この日本人はどこまでできるのか」と。日本語でも、ブランド戦略なんてつくったことがありませんでしたが、奮起して、見よう見まねで作成。リーダーに見せた所、「This is not what I expected(期待と違う)」と、撃沈。一生懸命やったのですが(笑)。敗因は、経験も浅いのに、1人で意地になってやろうとしたから、と気づき、他部署や他ブランド担当のアドバイスをもらいながら、再作成してOKをもらいました。嬉しかったのは、ブランド戦略を最終検討する会議で、プレゼンをする際、リーダーに内容を事前説明しようとしたら、「あなたが上手くできることは分かっているから詳細は任せるよ」と言われたことです。信頼されることは嬉しいし、実力以上の力が出せます。最終的に、10以上ある主要ブランドの中でTop2に入る戦略だというフィードバックをもらいました。
 将来的には、2つの領域で経験を積みたいと思っています。LION社での経験を活かして、キリンでもブランドづくりの仕事をすること。さらには、キリンの組織づくり・人づくりに貢献する仕事をすることです。LION社はブランドのファンづくりだけでなく、従業員を会社のファンにすることに長けた会社です。私自身もLION社のファンになり、こんな組織づくり・人づくりを日本でもしてみたいと思いました。そのために、マーケティング以外の色々な部署にも顔をだして、組織づくり・人づくりの分野でもLION流を吸収することを目標にしています。郷に入っては、郷に従え、と言いますが、その先に進んで、郷に入って、その郷の人になってしまう、ぐらいの気持ちでいたいですね。日本に帰った際に「LIONかぶれ」と言われるくらいに、染まりたいと思っています(笑)。慣れたやり方を変えるのは、ストレスのかかることですが、そこを超えて、新しい自分が手に入ると思っています。

学生生活
振り返って

アルバイト先のカフェで重ねた、
経験や気づき。
それがいまの仕事にもつながっている。

 アルバイト先のカフェに入り浸っていました。そこで、いまの仕事にもつながる「ふたつの経験」に出会いました。ひとつは、ラテアートの練習など、なにかオリジナルの提案をすることへの熱中です。自分の工夫がどう受け取られるか、リアクションを見るのが楽しかったのだと思います。その頃に、自分の提案で人に喜んでもらうことが好きな自分を発見し、また嗜好品への憧れをもっていることにも気づき、キリンでの商品開発を志すきっかけにつながりました。もうひとつは、お客さんとの交流に熱中したこと。”大人”の世界を背伸びして見てみたかったのだと思います。お客さんに面白い話を教えてもらったり、本を貸し借りしたりしていましたね。おかげで、本の選び方も変わり、趣味も増えました。自分の殻にこもるタイプですが、この頃に、自分の世界を広げてくれるものに関心を持つようになりました。海外トレーニーを志望したのも、この経験があってこそだと思っています。