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能登復興にかける JFAとKIRINの想い

1978年からサッカー日本代表を応援してきたKIRIN。KIRINが信じているのは、サッカーが持つ「人と人、社会をつなげ、元気にする力」です。その力を広げるために、公益財団法人日本サッカー協会(以下JFA)とともに家族や仲間との絆を深める新たなつながりを生み出す活動を全国で展開しています。
2024年1月1日に発生した能登半島地震の復興応援プロジェクトとしてスタートとした「JFA・キリン ビッグスマイルフィールド」もそうした取り組みの一つです。今回はその第6回イベントの様子とこのプロジェクトに込められた想いをご紹介します。

能登復興にかけるJFAとKIRINの想い

ウォーキングフットボールを通じて、 被災地に笑顔を届けたい

ウォーキングフットボールを通 じて、被災地に笑顔を届けたい

ウォーキングフットボール
  • ─新たなつながりを生むひとつのサッカーボール

    午後1時。参加者全員がフィールドに並び、開会式がスタートしました。JFA会長の宮本恒靖さんは「ウォーキングフットボールを通じて、笑顔になれるようないい時間を過ごしましょう」と挨拶。
    また、昨年7月に石川県珠洲市で開催された同イベントに参加したサッカー日本代表の森保一監督からは、ビデオメッセージで「震災から2年がたつ今だからこそ、決して風化させないよう、私もできることすべてをやっていきたいと思います。今日は、たくさんの人とボールに触れ合い、楽しんで、よい思い出をつくっていってください」と、温かな言葉が寄せられました。

宮本恒靖さん

JFA会長の宮本恒靖さん

この日の一番の目的は、「みんながボールを蹴って楽しむこと」。各チームには、元サッカー日本代表選手の福西崇史さん、鈴木啓太さん、澤穂希さん、宮間あやさんがゲストとして参加し、和やかな雰囲気のなか、試合がスタートしました。
プロを目指す小学生、ふだんはあまり運動する機会のない社会人、お子さんを抱っこしながらフィールドに立つお父さんなど、ここでは誰もが同じ立場のプレイヤー。最初は初めて出会うチームメイトに緊張した様子も見られましたが、チームで得点後のパフォーマンスを考えたり、円になってパスを回したりするうちに、だんだんと打ち解けていく姿が印象的でした。
あるコートでは、子どもたちの真剣なプレーに拍手が湧き起こり、また別のコートでは、元サッカー日本代表選手の思わぬミスに笑いが起きるなど、ひとつのボールを中心に次々と名場面が生まれていきます。

  • ─サッカーの力で、笑顔が広がっていくと信じて

    たくさんの笑顔とつながりが生まれたこの日。その背景には、金沢での開催にたどり着くまでの地道な歩みと、運営に関わる人たちの強い想いがありました。
    東日本大震災や熊本地震の復興応援プロジェクトとして、2011年からサッカーを通じた復興応援に取り組んできたJFAとKIRIN。その経験を活かし、2024年1月の能登半島地震の翌月には「復興応援プロジェクト」を発足。同年5月からは継続してイベントを開催してきました。
    それでも、能登地域での開催に至るまでにはさまざまな葛藤や模索があったと、JFAの大塚さんは語ります。

大塚萌子さん

JFAの大塚萌子さん

「プロジェクトを立ち上げた当時は、被災地でどのような需要があるのかがわからない状況でした。ただ、私たちの気持ちを一方的に届けるのではなく、“現地の方々が本当に必要としているもの”を届けたいという想いが、KIRINさんと共通していたんです。だからこそ、現地には何度も足を運びました」
3月に能登を訪れた際には、水道が止まり、トイレも使えない地域が多かったといいます。そんななか、現地の声として聞こえてきたのは、「学校のグラウンドに仮設住宅が建ったので体を動かせる場所がない」「狭い体育館で生活していて心理的な負担が大きくなっている」といった実情でした。
サッカーを通じて自分たちができることは何なのか──そう考えるなかでたどり着いたのが、子どもから大人まで誰もが一緒に楽しめる「ウォーキングフットボール」だったのです。
「これまでは、お子さんを対象にしたサッカー教室を中心に復興応援を行ってきましたが、能登では老若男女問わず多くの方に楽しんでいただける企画を考えました。実際、これまでに開催した5回でも、幅広い年齢層の方々にご参加いただいています」
過去には、体育館が仮設住宅として使われている学校の校庭を借りて開催したことも。子どもたちの楽しそうな声に誘われて、年配の方が見に来て、そのまま一緒にプレーを楽しむような場面もあったそうです。
「見ているだけでなく、実際に参加して『こんなに楽しいのはひさしぶりだよ』と声をかけていただけたのが、とてもうれしかったですね。ウォーキングフットボールを通じて笑顔が広がっていく光景に、『ビッグスマイルフィールド』という名前がぴったりのイベントになったと感じました」
そう語る大塚さんの想いに、KIRINの小西も共感を寄せます。

小西波瑠

キリンの小西波瑠

「サッカーは、ボールひとつで人と人がつながり、笑顔が生まれる素晴らしいスポーツだと思っています。特にウォーキングフットボールは、年齢や性別に関係なく、自然とコミュニケーションがとれるのが魅力です。終わったあとに『楽しかったね』と言い合って、仲良くなれる。これまでの開催でも、その力を実感してきました」

イベントに参加する子ども達

被災地に笑顔を届けたいという想いを胸に、避難所での小規模な開催からスタートした「ビッグスマイルフィールド」。被災地に今、何が求められているのかを慎重に検討しながら、その歩みを進めてきました。
そして、震災から約1年半。避難所の数も少しずつ減っていき、復旧から復興へとフェーズが移るなかで、「次によろこんでもらえる形」として、今回の大規模なイベントの開催を決めたのだといいます。
金沢でのビッグスマイルフィールド開催への想いを、小西さんはこう語りました。
「能登で続けてきた活動が、少しずつ地域の方に届き、今回のような大きなイベントにつながったのだと思います。『前回も参加しました』と声をかけてくださる方も、たくさんいらっしゃいました。
これからもサッカーを通じて、日本中の皆さんを笑顔にしていきたいですし、こういった活動を続けることが結果として震災を風化させないことにもつながると信じています」

イベントの様子
  • ─「震災を風化させない」JFAとKIRINの挑戦

    JFAとKIRINが信じてきたサッカーの力。その想いは、イベントに参加した選手や、現場を支えるスタッフにも深く伝わっています。
    「ボールがひとつあれば、自然とコミュニケーションが生まれる。パスを交換するだけでも、言葉を交わすのと同じくらいの意味を持つんです。サッカーが被災地の力になれるということは、間違いないと確信しています」
    参加者たちが会場をあとにした午後5時ごろ。東日本大震災のころから長年復興応援プロジェクトに携わってきたスタッフの方が、そう語ってくれました。
    ひとつのボールをきっかけに、笑顔が生まれ、歓声が響き、そして新たな絆が育まれたこの日。サッカーというスポーツが持つ力を、誰もがあらためて実感する時間となりました。
    1978年、国際大会「ジャパンカップ」の開催を機に始まったJFAとKIRINの歩み。あの日から続くサッカーへの情熱と、人々への想いは今も変わりません。これからも、サッカーの力でひとりでも多くの人に笑顔を届けたいという想いを胸に、JFAとKIRINによる復興応援は続いていきます。

KIRIN公式noteより抜粋

ひとつのボールから笑顔が広がることを信じて。能登復興にかけるJFAとキリンの想い