キリンのさまざまな
「初」に
チャレンジ。
細部にまでこだわり、
壁を打ち破る。

キリンビバレッジ株式会社
マーケティング本部 商品開発研究所 飲料開発担当

鈴木 深保子

Mihoko Suzuki
2008年入社 薬学系研究科 分子薬学専攻修了

Profile

2008年に入社後、開発研究所(現:飲料未来研究所)のプロジェクトマネジメント担当に配属され、「キリン メッツ コーラ」の開発業務や炭酸飲料関連研究業務に携わる。2011年より現職にて紅茶飲料の開発を担当。「午後の紅茶 おいしい無糖」などの開発を手がける。2014年より炭酸飲料および機能性飲料の開発を担当している。

※所属・仕事内容は取材当時

世の中のトレンドにアンテナを立て、
次々と新たな商品を世に送り出す。

 現在所属する商品開発研究所の役割は、研究所のなかでももっとも最終的な商品に近い位置での商品開発。マーケティング部と連携しての商品設計から、中味の設計、そして、商品イメージに近づけていくためのブラッシュアップなどを行っています。そこで、私が主に担当しているのは炭酸飲料と機能性飲料です。現代では商品ライフサイクルが非常に短くなっているので、短いスパンで新しい商品を次々と開発することが求められます。商品をつくる上流の方に位置することもあり、私たちがつまずくと発売日にも影響が出かねないので、そこはプレッシャーもありますし、大変なところです。そういったこともあり、研究所全体として取り組んでいるのが、世の中のトレンドにアンテナを張ること。私も食品関係はもちろん、ネットや街歩きの際はファッションや日用品にもアンテナを立ててお客様の潜在的なニーズを探したり、商品開発のヒントがないかを常に考えています。

無数の組み合わせを試し、
「午後の紅茶 おいしい無糖」を
開発。日本の紅茶文化に
新たな1ページを刻む。

 今までで一番印象に残っているのは「午後の紅茶 おいしい無糖」の開発に携わったときのことです。そもそも無糖の紅茶飲料は市場にはほとんど存在せず、出てもヒットしない状況でしたが、とはいえ、世の中のお茶は緑茶やウーロン茶しかり、ほとんどが無糖。世に受け入れられる無糖の紅茶飲料をつくれれば、紅茶の飲用シーンを広げ、日本に紅茶文化を根づかせられると思っていました。開発にあたって最大の課題だったのは、紅茶の茶葉特有の渋み。さまざまな産地の茶葉を、無数の組み合わせを試し、さらに抽出や加工の方法など細部にまでこだわって突き詰めたことで、舌に残る渋さという壁を打破。渋さが強すぎず自然に飲める無糖の紅茶飲料を生み出すことができました。苦労して手がけた商品が、工場でペットボトルに入って、フィルムを巻かれてラインから出てくるのを見たときの感動は忘れられません。また、商品を実際に手にしているお客様を見かけたときの嬉しさはたまらないものがあります。この「午後の紅茶 おいしい無糖」をはじめ、トクホの「キリン メッツ コーラ」や、グリコのポッキーとコラボした「午後の紅茶 ほんのりシナモンのアップルティー」など、機会に恵まれ、さまざまなキリン初の取り組みに携われてきました。やり方が定まっていないものへのチャレンジには困難が伴いますが、自分たちで向かうべき方向から探り、正しい道を切り拓くことに対し、非常に面白さを感じますね。

学生生活
振り返って

タンパク質の機能解析の
研究に打ち込み、
学術誌に論文を発表したことは、
今につながる自信に。

 もっとも熱意を持ってのめりこんだのは、大学から大学院まで3年間一つのテーマに取り組んだ研究です。さまざまな病気のもとになるタンパク質の機能解析を研究してきました。研究の成果は、アメリカで発行されているJournal of Biological Chemistry(JBC)という査読つきの学術誌にも、英語で原著論文を投稿しました。3年間で成果をまとめ、発表できたことは自信にもなっています。薬剤師の資格も取りましたが、就職活動のときにトクホが話題になっていたこともあって、人の日常生活のなかから健康を支えるということに面白みを感じ、キリンに入社しました。