発酵バイオテクノロジーで、
世界の健康を支える。
その使命を、
薬事担当として支える。

協和発酵バイオ株式会社
品質保証部 薬事室

三浦 茜子

Akane Miura
2009年入社 農学生命科学研究科卒

Profile

バイオプロセス開発センターにてキャリアをスタート。微生物を用いた有用物質生産プロセスの開発検討に従事。入社5年目より本社へ異動し、原薬の薬事、品質保証(海外顧客サポート)などの業務を手がける。入社4年目・8年目には産休と育休を取得し、復帰している。

※所属・仕事内容は取材当時

タイムリーに。正確に。
技術情報の維持によって、
アミノ酸の価値を届けつづける。

妊娠中のことです。つわりがひどく、病院で点滴を勧められました。輸液を腕につないでベッドに横たわっていると、体の底からじんわりと温まっていくようで、ほっとしたことを覚えています。その時改めて、「協和発酵バイオの製品は、こんなふうに人々の役に立っているんだ」と実感しました。協和発酵バイオは、世界で初めて発酵法によるアミノ酸の大量生産に成功した会社が前身となっています。食品や化粧品、そして点滴を含む医薬品の原料(原薬)として、30か国以上にアミノ酸をはじめとする協和発酵バイオ製品が販売されています。各国でアミノ酸を原薬として使えるようにするには、現地当局に技術情報を登録することが不可欠。その申請を行うのが、「薬事」という業務です。国や地域で担当が分かれていて、私が受け持っているのはアメリカ。お客様の新製品の承認申請サポートや、登録済みの技術情報に変更があった場合の手続きを主に行なっています。年に一度の定期的な報告に加え、当局からの要望などにより、イレギュラーな対応が必要になることも珍しくありません。タイムリーかつ正確に対応するのは大変ですが、薬事登録が正しく維持されなければ、医薬品が患者さまの元へ届かなくなることさえある。その責任を胸に、海外を含めた多くの関係者と連携し、時には数か月を費やしながら、登録文書を完成させています。

世界標準の品質保証のあり方を
学び、ヘルスサイエンス領域での
グローバルな貢献を目指す。

これまでの経験の中で、薬事業務の重要性を痛いほど思い知った出来事があります。2019年に山口県から山口事業所が製造方法に関する行政処分を受けた時のことです。なぜ、起きてしまったのか。どう解決すべきなのか。一刻も早く突き止めるために私も調査に加わり、たくさんの社員とともに膨大な記録や文書の調査に没頭。最終的には是正につなげることができました。この時、仕組みの改善や教育の充実を後押ししてくれたのが、キリングループからのさまざまな支援です。もともと社員同士の交流や研修への参加機会はあったのですが、安全・安心に対する想いをひとつに、KIRINグループとして協力し合えることの頼もしさを改めて感じました。そのKIRINグループはいま、ヘルスサイエンス領域の発展に力を入れています。私もいずれは、業務の幅を広げ、ヘルスサイエンス領域で機能性素材についての品質保証に挑戦したいと考えています。国内だけではなく、アメリカ、アジア、ヨーロッパに拠点を持つ協和発酵バイオ。そこで働く仲間たちとともに、世界中の人々の健康にさらに力強く貢献していけたら嬉しいですね。そのためにも、現在の業務にしっかり向き合い、お客様や患者様からの信頼を維持するとともに、世界標準の品質保証のあり方について学びを深めたいと思っています。

学生生活
振り返って

微生物の研究に没頭し、
論文掲載や学会発表を経験した。

微生物が持つ酵素の特徴を調べる研究に打ち込んでいました。先生や先輩方の指導を受けながら、実験の計画を立て、自分の手で研究を進め、得られたデータから新しい気づきを得る。この一連の工程が面白かったです。成果をまとめた英語の論文が査読を経てアメリカの学術誌に掲載され、国内の学会で発表したりする機会にも恵まれました。こうした経験から、科学的なアプローチの仕方や、自分の考えをわかりやすく他者に伝える術を学ぶこともできました。「微生物」というテーマが、やがて協和発酵バイオ入社への志望へとつながったことも含めて、思い出深いです。

協和発酵バイオ㈱の事業について
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